人間国宝に竹工芸の大田原市の藤沼昇さん
更新日時:2012年7月21日
文化審議会(宮田亮平会長)は20日、国重要無形文化財保持者(人間国宝)に大田原市の竹工芸家藤沼昇さん(67)ら4人を認定するよう平野博文文部科学相に答申した。文化庁は9月にも認定書を交付する。竹工芸での現在の認定者は同じく大田原市の勝城蒼鳳=本名・一二=さんに続き2人目。竹工芸で同地域から2人の人間国宝を輩出したのは全国で初めて。
竹芸、竹工芸からの認定者は6人目、本県からは民芸陶器の濱田庄司らに続き5人目となる。
藤沼氏は1945年、大田原市生まれ。サラリーマン生活をやめ76年、30歳で竹工芸の世界に飛び込んだ。八木澤啓造さん(故人)に師事、本格的な創作活動を始めた。
竹材の選定から素材の調整、編組、拭漆仕上げまで幅広い技法を体得し、多彩な編組技法を駆使する。伝統技法を踏まえながら独自の工夫を加え、精緻な網代編や繊細な束ね編など竹の質感を巧みに表現。「気」をイメージした作品は、空間の広がりを内包したおおらかな造形と力強い意匠構成で、格調高い独創的な造形美が国内外で高く評価されている。
日本伝統工芸展を中心に作品を発表。80年に「日本伝統工芸展」初入選。84年には日本工芸会正会員になった。86年の第33回日本伝統工芸展で「網代編盛籃『空』」が日本工芸会会長賞を受賞し、米国・シカゴ美術館に収蔵。92年の「束編花籃『気』」は東京都知事賞を受け、東京国立近代美術館に収蔵された。2004年に紫綬褒章。ことしから日本工芸会理事。
藤沼氏は「素直にうれしい。さらに気を引き締めて作品づくりをしていきたい」と喜びを語った。
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作成者:shimofujiyaカテゴリー:お知らせ
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